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ばら(薔薇)の成長形態は、大別すると「つる(蔓)」「四季咲き木立」の2つに分けられます。

このページでは『つるばら』について、その性質と種類についてお話します。

『四季咲きばら』に関するコラムは下記ボタンをクリックしてください。

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まず『つるばら』とはどういった性質のものを指すのでしょうか。

当園では「つるばら」を「四季咲きという性質を持ったばら以外すべての品種で、枝がつる状に伸びるもの」と定義しています。

『四季咲き』とは、一定の温度(夜温15度以上といわれています)があれば蕾を付け、安定して開花する性質をもったばらのことを指します。春から初冬まで何度も開花するため、枝には節ができて、全体的にごつごつした株になります。品種によって株張りに差はあるものの、おおむね逆さホウキのような自立した樹形になります。

栄養状態がよければシュートを発生させ、そのシュートすべてに今年蕾を付ける能力があります。また、花ガラ切りや摘蕾をしてから次の開花までの日数をおおまかに計算可能である点も『四季咲き』の特徴です。(概ね40~60日後の開花が見込めます。)

「つるばら」とは以上の性質を持たず、枝をつる状に伸ばす品種たちを指します。

  • 一年のうち、春のみ開花する。(一季咲き品種)
  • 何度か返り咲くばらの場合、その返り咲き性が安定しない。
  • 冬以外、剪定による開花のコントロールができない。
  • 返り咲く品種でも、発生したシュートはその年に蕾を付けない枝の可能性がある。
  • 返り咲く品種の場合、次の開花までの日数を逆算できず安定しない。
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枝が伸びるのを妨害する一番の要因は「開花」です。つる性ばらはこの開花が年に一度、あるいは不定期になるため枝が伸びていきます。秋まで返り咲きがある品種であっても例外ではありません。必ず開花しない、あるいは開花までに長く伸びる枝が存在します。つる性ばらに「四季咲き性はない」からこそ枝が伸びてきます。

枝が伸びている姿が「つるばら」の本質です。「枝先」が存在するからこそ、感情の表現手法の素材として風景に描き出すことができ、人の心をより豊かなものへと導いてくれます。四季咲き品種に実施する強い剪定はそれと逆行する行為となりますので控えていただき、枝を整える「整枝」に留めるのが理想です。もちろん、夏剪定もシュートピンチも必要ありません。

つる性ばらを上手に扱うためには、この開花しない枝(あるいは次の開花までに長く伸びる枝)を必ず考慮する必要があります。これらの枝がどの程度の枝の固さを持つか、伸びる方向や湾曲を始める高さ・度合いなどがつるばらを使いこなすに当たって重要なポイントとなるため、当園ではつる性ばらに対して「樹形図」を参考資料としてご提示しております。

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つるばらをさらに2つに分けると「一季咲き性」と「返り咲き性」に大別されます。

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「一季咲き性つるばら」は、春に一度だけ開花し、それ以降は枝のみを伸ばす性質を持った品種を指します。原種ばらやオールドローズ、ランブラーローズなどに多く見られる性質です。元々ばらという植物は、春のみの開花でつる状の植物であったことがここから推測できます。

一季咲き品種は春のみの開花で、夏以降はすべて枝葉の成長(栄養生長)となります。枝の伸長を止める因子である「開花」は年に一回。そのため、枝はすらりと伸びていき節ができない特徴があります。つる性ばらの開花は枝先を中心に起こります。大変しなやかな枝になり、開花してほしい場所へ、「開花の中心となる枝先」を持っていきやすい。

誘引の自由度が最も高いのが「一季咲き品種」です。品種によっては強い伸長力を持っており、5m以上枝を伸ばす品種もあります。コンパクトに収めたい場合は、ガリカローズなどのオールドローズが優れた性質を持っています。

枝先のしなやかさ、大きく葉が茂った姿。風景に溶けこむように枝が伸びていきますので、一季咲き品種はお庭の主役として優れた特性を持っています。枝先が存在し、枝が風に揺れる姿は、枝を切ってしまう「剪定」では表現できない趣です。心の情景を映し出す素材としてつる性ばらを考える場合は、この一季咲きのつる性品種がおすすめです。

ガリカローズの「カーディナル ド リシュリュー」「デュセス ダングレーム」、アルバローズの「マダム プランティエ」「メイデンス ブラッシュ」、一面を覆いたい場合はランブラーローズの「アルベリック バルビエ」「フランソワ ジュランビル」等々、多くの品種が優れた能力を有しています。その品種の伸長力に応じて、植栽場所に適した品種を選びたいところです。

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「返り咲き性つるばら」は、春以外でも何度か開花するつるばらのことを指します。庚申ばらとの交配が始まったオールドローズ後半の系統や、クライミングローズ、近年のシュラブローズなどに多く見られます。

春以降も何度か開花しますが、多くは「四季咲き品種」ほどの安定性がありません。品種によって返り咲く頻度に差があり、春以降もう一回、二回だけ咲くゆるやかな返り咲き性品種から、秋まで何度も開花する品種など様々です。

返り咲きするつる性品種は、開花の回数が多くなればなるほど枝に固さが加わり、伸長も抑えられがちになる特徴があります。返り咲きが多いということは、木立ばらに近づいていることでもあり、従って返り咲きが多い品種ほど枝は自立し、固くなっていくことを意味しています。特に大輪系で花弁が多い返り咲き性品種は枝が固くなりやすい傾向にあり、枝を大きく曲げることができず、高さ制限がある構造物では少々扱いが難しくなります。

花が春以降でも見られるつる性ばらは、お庭を彩るために重要な品種たちではありますが、品種選びは慎重に行う必要があります。

枝は固めですが、返り咲きが多い分、コンパクトになりやすい品種が多いので、小スペースでの植栽も考えることができるかと思います。また、繰り返しよく咲くつる性品種でも、小中輪系の品種であれば、比較的枝が細く、つるばららしい表情が見られるようになります。「フェリシア」や「ブラッシュ ノアゼット」「ムーンライト」「ペーター ロセガー」「レッド キャスケード」などは花付きが大変良く、枝葉の質感や柔らかさなど多くの面で優れており、非常に使いやすい品種です。当園でもよくおすすめしております。日本の庭園事情によく合致した品種たちです。

「ペネロープ」「コーネリア」などはトゲが少なく、また返り咲きが多めでありながら、強いシュートがでると勢いよく伸びていきますので、大きめのアーチや窓周り、壁面などに使いやすい品種です。実付きも良く、秋になれば実も楽しめます。

▲ハイブリッドムスクローズ「フェリシア」。つる性品種ながら返り咲きが多く、秋まで開花が楽しめる。

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よく返り咲く品種、例えばショートクライマーとして人気の返り咲きするシュラブローズは、一見四季咲きばらと混同されがちです。しかし、枝の伸び方を見ると「四季咲き木立ばら」より上記の「つる性ばら」の特徴に準じています。よって、シュラブローズはすべてつる性ばらとして扱い、特にハイブリッドティーローズに行うような強い剪定は避けるのが基本です。枝は広がりを持ちますので、「四季咲き木立ばら」ではなく「つる性ばら」として、それらを活かした方がより品種の美しさを引き出せるかと思います。

「つる性」と「四季咲き性」の混同を避けるため、当園では「四季咲き性つるばら」という表記は一切しておりません。骨董 古伊万里 金彩赤絵付 富士山型 菓子鉢 中鉢 膾皿◯ニュウあり②

秋にも良く開花する繰り返し咲きのつる性品種でも、四季咲き品種と同程度の冬剪定を施すことはあってはらないない姿です。つるばらとしての花付きの良さ、伸びる枝先を活かしきれなくなるためで、非常に勿体無いからです。また春以降、よく伸びる開花しない枝の存在をどうするか、無闇に切れば枝の繊細さを失う可能性もあります。それならば、最初から枝が伸びず、花ガラを切れば次の開花が保証される四季咲き木立性品種を使うことを考えたほうが、管理上の負担も少なくなり得策と思えます。

▲クライミング「アンジェラ」。秋まで安定した返り咲きがありますが、つる状に伸びるのが近代のシュラブ系品種の傾向です。

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その品種の成り立ちや性質などを考慮して分類されているので、品種選びの際には大変役に立ちます。

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突然変異種として八重咲き種がでてきたり、返り咲きする種もでてきました。園芸用として交配が繰り返され、オールドローズや現代のモダンローズを誕生させます。樹形としてはつる状に伸びるもの、シュラブ樹形を形成するものなど様々なので、植栽する際は樹形に見合った植え場所を庭の中に準備してください。極限まで飾りをそぎ落としたようなシンプルな美しさの世界が待っています。自生種ということもあって、病害虫耐性が強い品種も多いです。ばらの歴史、その最初の一歩を垣間見ることができる、そんな系統です。

これら原種が自然交雑した品種は「原種系交雑種」としていくつか系統があります。日本では「ハマナス(ハマナシ)」の名で知られているハイブリッド ルゴサ。その他、ハイブリッド スピノシシマ、ハイブリッド フェティダ、ハイブリッド エグランテリアなど、交配親となった品種により分類されています。これらもすべてつる性です。

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「燃えるように赤いばら」と古くから栽培の記録が残る系統で、その歴史は約2000年前、古代ローマの時代にまでさかのぼります。オールドローズと呼ばれるばら達の中でも最古の品種群です。中~南部ヨーロッパが起源で、赤いばらの祖先とも言われています。これら品種が見られたフランス南部の地方を、古くはガリア地方と呼んでいたことからガリカ・ローズの名が生まれました。

現存するガリカ・ローズの中で最も古い品種「ロサ・ガリカ・オフィキナリス」は、ヨーロッパで古くから薬用・香料用に用いられた品種で数多く栽培されていました。薬剤師のばらとも呼ばれ、薬用植物をあらわすアポテカリ・ローズの別名も持っています。

例外なくすべてつる性で一季咲きです。花色は赤紫やローズ赤が中心ですが交配によりソフトピンクや絞り咲きの品種も見られます。原始的なざらざらした葉を持ち、全体的に枝は細く枝振りも繊細、良好な花付きと相まってトレリスやアーチなど、ご家庭のつるばらとして大変お勧めできる品種群です。さらに嬉しいことに、多くは芳香にも恵まれています。

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ガリカ・ローズと対をなす存在である白ばらの祖先が「アルバ・ローズ」です。そのまま「白いばら」という意味を持っています。欧州や西アジアに分布する原種ばらの自然交雑により生じたとされ、その起源はロサ・カニナとロサ・ダマスケナ・ビフェラ、またはロサ・ガリカとロサ・アルウェンシスなど諸説あります。アルバ・ローズの存在がはっきりと確認できるのはルネッサンス時代の名画「ヴィーナスの誕生」など、絵画の世界においてですが、実際にはもっと古くから存在していたようです。

こちらもすべて一季咲きのつる性品種群です。アルバローズはその美しい青みを帯びた葉や透明感のある花色、清涼感あふれる芳香など、独自の個性に恵まれ、ひときわ清らかなその世界は今も多くの人々を魅了し続けています。ガリカ・ローズより大型の樹形になりやすいため広い場所への植栽が適切です。最初のアルバ・ローズ「ロサ・アルバ」に最も近いとされている「アルバ・セミプレナ」は爽やかな葉と芳香を持ち、耐病性、耐寒性ともに優れた品種です。

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ダマスク・ローズは何といってもその香り「ダマスク香」で名高い系統です。ガリカ・ローズとロサ・フェニキア、もしくはロサ・モスカータの交雑により生じたものと推測され、現在では原種とは考えられていません。ダマスクの名はシリアの首都ダマスカスにちなむとされ、また古代ギリシャのヘロドトス(BC 485頃~)が「他のばらに優る芳香を放つばら」として記述を残していることなどからも、栽培の歴史は相当古いものであることが推測されます。

12~13世紀の十字軍によって中東からヨーロッパに持ち込まれ、現在でもブルガリアや南フランスなどで香料採取のために栽培されています。また、唯一返り咲きをもつキャトル・セゾン(オータム・ダマスク)は中国の庚申ばらとの交配によりのちにブルボン・ローズやポートランド・ローズを誕生させます。

キャトル・セゾンを除いてすべて一季咲きです。もっとも、キャトル・セゾンもそこまで強い返り咲き性は持っていません。少し暴れ気味の樹形になりますが、枝は細くしなやかなので誘引さえしっかりすれば多くの場面でメインをはれる系統です。

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「100枚の花びら(または葉)」という系統名から察する通り、オールドローズらしいエレガントな花容と芳香に恵まれた品種群です。幾重にも重なる花びらとカップ状の花型は本当に魅力的です。自然交雑により生じ16世紀頃からオランダで改良され、18世紀初めに系統として完成したといわれています。現存する品種は少ないですが、現在も香料として多く栽培されています。現代のばらへと続く交配の歴史に確かな足跡を残し、またマリー・アントワネットの肖像画に代表されるように、絵画にも多く描かれたことで知られています。

人々の手により改良されてきたためか、これまでのオールドローズとは少し雰囲気が異なっています。すべて一季咲きのつる性種ですが、伸長力が強く散開型の樹形になります。濃厚なダマスク香があり、花弁数が多いためかより強く感じられます。

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蕾や花茎が細かい繊毛に覆われ、一見苔のように見えることからこの系統名が付けられました。17世紀終わり頃にロサ・ケンティフォリアから突然変異により生じたコモン・モス(ロサ ケンティフォリア ムスコーサ)が最初の品種とされ、いかにもオールドローズらしい優雅な雰囲気にあふれた品種群です。細かい繊毛からは分泌液を出し、触るとネバネバします。

もとのケンティフォリアに近い半つる状に自立する品種もあれば、つる状に長く枝を伸ばす品種もあります。当時から人気の高い系統で19世紀には庚申ばらとの交配により返り咲く品種も作出されました。豊かな芳香とその風格は現在も多くの人々を魅了しています。一部にダマスクローズ起源の品種も存在します。

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四季咲き性を持つ中国の庚申ばら(ロサ・キネンシス)の仲間が19世紀初頭に欧州で紹介されたことは、ばら界に劇的な変化をもたらしました。ブールソール・ローズもその流れの中から生まれた系統の一つで、パリのばら栽培家でこれらの品種の生みの親であるブールソール氏の名がそのまま系統名となっています。

品種数が少なく系統として認めない考え方もありますが、庚申ばらの影響を色濃く残し、比較的初期の交配種として興味深いと思います。赤みを帯びた枝や葉の繊細さが美しく、多くは早咲きでつる状に伸び、トゲはないか、あっても少なく家庭用つるばらとして嬉しい特性を持っています。

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ポートランド・ローズはオールドローズの中で初めて人の手により作られた「返り咲く」つるばらです。18世紀の終り、西洋のばらと東洋のばら(庚申ばら/ロサ・キネンシス)が交配されて出来上がった最初の系統とされてきました。実際、ブルボンローズより返り咲く品種が多く見受けられます。しかし、最近の研究ではポートランドローズの返り咲き性は庚申ばら由来のものではないという研究結果も出ています。確かに枝葉には庚申ばらの雰囲気はあまり感じられません。興味の尽きないところです。

「ダッチェス・オブ・ポートランド」を最初の品種として、これを交配親に使い多くの返り咲く品種が誕生しました。当時は何度も開花するばらとして大変人気で、品種によっては秋まで返り咲くものも誕生しました。残念ながら現存しているポートランド・ローズはごく少数ですが、それぞれに大変魅力的で根強い愛好家を持つ系統でもあります。花はロゼット咲きが多く、濃厚な香りが漂います。特に返り咲きが多い品種は1m~2mほどのコンパクトな樹形になります。ただ、返り咲きを得た代償として病害虫には弱くなっています。

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ブルボンローズはポートランドローズとともに、西洋のばらと東洋のばらが交配されて誕生した最も初期の系統一つで、最初にブルボン島(フランスの海外県、マダガスカルの東方、現在のレユニオン島)で発見されたことからこの系統名が名付けられました。当時の育種家たちは何度も開花する品種を生み出すべく交配を続け、ブルボン・ローズはポートランド・ローズとともに当時大人気の系統となりました。

ポートランド・ローズよりはつる性としての性質が強く、返り咲きは少なめですが、カップ状であったりロゼット状であったりと優雅で魅力的な花容を持つ品種が多く、また多くは芳香性であることなどから現在も高い人気を誇ります。家庭用つるばらとしての実用性にも大いに注目されます。

また、ほとんどがつる性であるオールドローズの中で、例外的にこの系統の中には「完全四季咲き木立タイプ」の品種が少数ですが存在します。これら品種も庚申ばら由来のものなのか、あるいは独自の進化を遂げたものなのか興味の尽きないところです。

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20世紀に入ってから確立された系統で、返り咲きのある一部のロサ・モスカータにノアゼットローズなどが交配されたといわれていますが、日本のノばらやハイブリッドティー種の血を引くものもあり、一様ではありません。誕生の経緯については不明瞭な点が多い系統です。枝葉の特徴はノアゼットローズやその他のオールドローズ類とは大きく異なり、照葉をもつ品種がほとんどでモダンローズに近づいています。

ムスクとは「麝香(じゃこう)」の香りのことです。イギリスのアマチュア作出家ペンバートン卿とその助手をつとめていたベントール夫婦らによる品種が多くを占め、ペネロープやコーネリア、バレリーナなどは現在も広く愛培されています。多くは返り咲き性に優れ、秋にも開花する品種も多くあります。その分、枝は固くなりますので誘引などの技術は要しますが、家庭用のつるばらとしても現在でも高い人気を誇ります。耐寒性にも優れています。

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ノアゼット –

アメリカ、サウスカロライナ州チャールストンの農園主シャンプニーが、ロサ モスカータにパーソンズ ピンク チャイナ(オールド ブラッシュ)を交雑したところ、ピンクで返り咲き性の良いつるばらが生まれました。1810年以前のことです。これがのちにシャンプニーズ ピンククラスターと呼ばれ、その子であるブラッシュ ノアゼットにより新系統として確立されました。

一部例外はありますが、多くの品種が返り咲き性に優れ、優雅な色彩と繊細な花容を持ち、家庭用のつるばらとして現在も人気の高い系統です。特にブラッシュ ノアゼットは四季咲きといっていいほどの返り咲き性を有し、秋まで何度も開花します。この品種は枝も比較的素直に伸びて程よい樹高になるため、当園ではアーチ推奨品種としてオススメしています。この系統には黄色味を帯びた品種も多く存在していますが、これら品種は寒冷地では防寒対策が必要と思われます。

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ハイブリッド パーペチュアル –

庚申ばらの導入により交配の可能性はさらに広がり、大輪で強健な四季咲きばらを生み出すべくさまざまな試みが続けられました。そのような課程で誕生したのがハイブリッド・パーペチュアルローズで、ハイブリッドティー種へ至る前段階の系統でもあり、1830年頃に確立したとされています。この系統を経て、強健な完全な四季咲き品種「ハイブリッドティーローズ」が誕生します。

記録上では700種もの品種が存在し、パーペチュアル(四季咲き)というほどの返り咲きは得られなかったものの、これまで以上に華麗で魅力的な花容や芳香に、当時の人々の注目も集まりました。多くはつる性としての特徴を持ち、少し剛直な枝の扱いには工夫も必要ですが、華麗な花の中に人類の夢と向上への願いを見る思いです。

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ランブラー –

つるばらを代表する系統であるランブラー・ローズ。具体的にはつるばらの仲間のうち、日本の野ばら(ロサ・ムルティフローラ)や照葉ノイばら(旧ロサ・ウクライアナ、現ロサ・ルキアエ)、その他ロサ・モスカータやロサ・セティゲラなどを交配親とする品種群をランブラー・ローズと呼んでいます。

多くは交配親である原種からの影響で小輪房咲き、一部の例外はありますが春のみの開花(一季咲き)で伸長力が強く、花付きが大変良いのが特徴です。特に照葉ノイばらを交配親にもつハイブリッド・ウクライアナ系は耐病性に富みます。ランブラー・ローズは旺盛に伸びるものの枝の自由度が高く、こぼれるように咲く、やさしい風景を演出するためには外せない系統です。場所さえゆるせばぜひ、これらの品種でご家庭の植栽のメインを飾ってみていただきたいと思います。

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クライミング –

いわゆるもっともつるばららしい系統でしょうか。枝はななめ上に長く伸ばすものもあれば、返り咲きしながらやがて強いシュートが出てくるものなど様々です。

ピエールドロンサールのようにはじめからつるばらとして作出された品種と、ハイブリッドティー種やフロリバンダ種などの四季咲きばらが突然変異によりつる性となった品種に大別されます(そのような品種はつる○○と表記されます)。厳密には花の大きな品種はLCl(ラージフラワードクライマー)と称されたり、もう少し細かい区分がありますが、Web上では便宜上省略させていただいております。

一季咲きが中心でしたが近年の品種は返り咲きするものが多くなっています。交配により様々な性質のばらが存在しているので、より品種の性質について理解し、適切な場所へ植えてあげましょう。

系統として認められている「ハイブリッド コルデシー(Hybrid Kordesii)」は、数が少ないためこちらへ統一しております。耐寒性に優れたつる性ばらで、寒冷地の方にはお勧めです。

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シュラブ –

シュラブとは低木、灌木といった意味で本来樹形をさして使われる呼称ですが、ばらの世界では他のどの系統にも含めにくい品種全般に使われています。いわゆる「その他」という系統です。野ばらのようにドーム状の樹形をもつものからランブラーローズのようにかなり横張りに長く枝を伸ばすもの、木立状に近いものなど一様ではありませんが、やはりつるの性質を持っています。

花容も品種により様々ですが、つるばらとして魅力的な品種も数多く存在しています。また、イングリッシュローズなどもこの系統に分類され、近年作出の品種は多くが返り咲き性を持っています。しかし、他のつるばらの系統と同様、枝は弧を描くように伸びてくるので、枝のカーブを生かした仕立てを心がけたいものです。冬剪定も、四季咲きばらと同程度のものを施すのは控え、「つるばら」として向かい合います。

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